2011.01.09

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【新春特別企画:新加入選手インタビュー】河原和寿選手<前編>

この度、栃木サッカークラブでは、本日より新春特別企画として、既に公表している新加入選手のインタビューをお届けいたします。2011シーズンに新たに栃木SCへ加入する頼もしい選手たちを、ファン・サポーターの皆様に、より深く知って頂く為に、インタビュー記事(2部構成)にて毎日更新していきます。

記念すべき初回は、河原和寿選手<前編>です。


誰もが待ち望んでいたと言っても過言ではない。一昨年、チーム最多の13ゴールを挙げたエースの復帰を。昨年は新潟でJ1の壁にぶつかり、大分に出場機会を求め、そこでサッカー選手としての引き出しを増やした。一回り成長して再び栃木へ。「栃木をJ1へ昇格させる」。移籍を決意した理由は極めてシンプルだった。昨季、グリスタで栃木と対戦した際に感じ取れた戦術の浸透具合、したたかさは、「J1」をリアルにイメージできる素材となった。栃木をひとつ上のステージへと押し上げるために、ファン・サポーターの声に応えるために、「ひとつでも多くのゴールを取り、1mでも多く走る」。視線の先には「J1昇格」しか見えていない。
Q:2年ぶりの古巣への復帰。今の心境は?
「嬉しい。その一言ですね。」

Q:栃木の選手にはすぐに連絡しました?
「リリースの前日、皆には連絡しました。リリース後だと、『全然、連絡ないじゃん』と言われるので(笑)。皆からは『また一緒に頑張ろうよ』と言われました。」

Q:再び栃木に戻ってくることになった決め手は?
「昨年、新潟では、ああいうシーズン(出場4試合。プレータイム146分)になってしまい、ワールドカップの中断期間後に大分に行きましたが、その時に栃木からまたオファーが来ればいいなと期待はしていました。でも、栃木としてはそのタイミングではなく、今回のタイミングということだったので、最終的に大分に行くことになりました。
今年、栃木はJ2で3年目。『J1へ向けて1度勝負を懸けたい年』だと言われました。その中で補強の最重要選手ということをクラブの強化部の方から聞き、僕自身もJ2でやるからには本格的にJ1を目指しているチームでやりたいという気持ちがありました。J1でプレーできれば一番いいですけど、J1じゃないと駄目だというこだわりはありませんでした。今回、自分のタイミングと栃木からのオファーのタイミングがピッタリと合いました。クラブもしっかり上を目指しているし、自分自身も上を目指せるという意味では、栃木が自分にとって一番レベルアップできる環境だと思いました。そして、なによりも栃木のサポーターの声を、栃木のフロントの方は気にしてくれていて、『サポーターが僕のことを必要としている』と。その2つの要素が決断に至る大きな要素でした。サポーターが待っていてくれたのは、ありがたいことです。」

Q:栃木への期限付き移籍に関しては即決、相思相愛だったと?
「正直、複数のクラブからオファーをいただいていました。そこから新潟、大分、栃木の3チームに絞りました。どこに行ってもゼロからのスタートですが、新潟は昨年と体制が変わらないので、そこまで戻りたいとは思いませんでした。
大分の場合は今のチームの状況、僕への条件提示が栃木と同じだとしたら、正直どちらを選んでいたかは分かりません。大分というチームの持っているポテンシャル、雰囲気、サポーターの熱さ、あそこも地元が盛り上げて成り立っているチームだし、フロントの方も凄く熱意を持っています。J1を経験しているから、そのあたりのモチベーションは下がっていなかったので、大分に残ることも選択肢のひとつとして持っていました。でも、冷静に考えた時にクラブが抱えているお金の問題は大きかったですね。」

Q:新潟から出て出場機会を求めたことの一因として、カナダでU‐20ワールドカップを戦ったメンバーの活躍も影響していますか?活躍は刺激に?それとも焦りに?
「焦りはないですけど、少なからず刺激はもらっています。仲間が活躍しているのはチャンスを確実にものにしているから。チャンスを見逃さないように、自分自身もカテゴリーやプレーしている場所も違いますけど、チャンスを掴むための1年にしようと思っています。」

Q:昨季は新潟では4試合、大分では17試合に出場し、大分では1トップも経験しました。その中で得たものは?
「試合の流れを感じることができるようになったのかなと。昔と比べて。そのあたりは徐々に、試合を重ねる毎にできてきていますし、少しずつ成長している部分です。大分では若い選手が多く、その中でプレーしていたので、ちょっと精神的にどっしりしてきたのかなとも感じます。それはプレーで自分らしさを出せるようになったからだと思っています。まだまだ精神的な波はありますけど、変化は感じています。」

Q:大宮東高校の大先輩、チームの支柱だった佐藤悠介選手が昨年引退しました。ベテランの選手もいますが、河原選手も中堅になるということでリーダーとして引っ張る役割も求められると思うのですが。
「自分自身が言葉で伝えるタイプではないので、大分の時のように若い選手にはプレーで感じて欲しい。必要な時は僕自身も言葉で感情表現しますけど、なによりプレーで全体に伝わるようにしたいですね。」

Q:昨年は対戦相手の選手としてグリスタのピッチに立ちました。拍手とブーイングが半々でしたね。
「改めてグリスタは雰囲気のいいスタジアムだなあと感じましたね。でも、僕が感じるスタジアムの雰囲気と、他のアウェイチームの選手が来て感じる雰囲気は違うと思うんですよ。特に僕はついこの間、栃木を出ていったばかりでしたから。移籍した大分の初戦が栃木戦だとは聞いていましたが、栃木戦には帯同しないだろうなと思っていました。移籍の3日前まで新潟にいましたからね。『今日も新潟の練習に行こう」』と思っていた時に、午前中に代理人から『大分からオファーをもらった』と連絡をもらって、『この電話で決めてくれ』と言われました。決断後には『次の日から練習に合流してくれ』と言われて、その日の午後に大分へ移動しました。いきなり紅白戦に出て、紅白戦ではトップチームに入っていたので、これはひょっとして栃木に行くのかなと。そうしたらメンバーに『河原』と入っていて、どういう顔をしていけばいいのか…。
ブーイングも温かいものだろうなとは思っていましたけど、拍手とブーイングが半々だったので、『どうしようかな』と困りました。ただ、僕としてはどんな反応をされても『ありがとう』という感謝の気持ちで受け止めようとは思っていました。僕の反応をサポーターがどう解釈するのか分からなかったので、メインだけにしかお辞儀はできませんでした。
ああいう形でグリスタに戻ってきて、これも何かの縁なのかなと。試合前、松さん(松田浩監督)に挨拶に行った時に、『これも何かの縁だな』と言われました。まさしく、今になって思えば、そうだったなと。」

Q:実際に2010年の栃木と対戦して、肌で感じた2009年との違いは?
「経験豊富な選手が増えた分、戦い方がしたたかになっていました。栃木は理想的な勝ち方をしたと思うんですよね。1点を先制してから守備が堅くなることは予想していました。僕達はひとり退場者を出し難しい展開になりましたが、一昨年の栃木ならば良くて1-0、もしくは1-1の同点に追い付かれていた。昨年の栃木はそこから1点を加えたじゃないですか。本当に強いチームだなと。勝ちゲームを90%勝利に持って行ける力が、このチームには備わっている。だからこそ、『J1昇格を目指したい』と言われた時に、冗談に聞こえなかったですし、むしろ昨年ですら狙えたチームではなかったのかなと思いますね。チームのメンバーはガラッと変わりましたけど、松さんのやりたいサッカーが浸透していたので、一昨年よりもはるかに進歩しているなと感じました。大分と力の差はそれほど感じませんでしたが、未来に向けての伸び代を、可能性を感じた試合でした。」

Q:リリースではFW登録でした。やはり勝負するならFWですか?
「栃木ではずっとサイドでプレーしていましたし、サイドの方が上下に走れるので、自分の特長を出しやすい。でも、サッカーではベストの11人で戦えない状況もあります。必要に応じてFWにも適応できる能力が自分にはあると思うので、どちらもこなせれば監督にとっては計算しやすくなると思います。一昨年と比べて得点を取れる選手が居て、自分が必ず得点を取らなければいけない状況ではないですけど、自分も点が取れればさらにいい順位が狙えるし、J1昇格という夢を達成できると思っています。最初はサイドでやるつもりでいますけど、どっちもこなせればいいですね。ポジションは監督が決めることですから。」

Q:漠然とした質問ですが、J1昇格に必要なことは?
「昨年あれだけの戦いができたわけですから、その中で勝点を積み重ねられたことに関しては自信を持っていいし、自分達が自信を持って戦うことが大事になります。連敗することもあるかもしれません。でも、昨年の福岡はそれでもJ1昇格を達成しています。苦しい時に崩れないメンタルの強さ、自分達のサッカーに自信を持って戦えば十分にJ1を狙えると僕は確信しています。」

Q:確かに福岡は自信を持ってリーグ終盤戦を戦っていました。
「他の試合では内容が良かったようですけど、大分と対戦した時には『本当にJ1へ行けるの?』という内容でした。それでも福岡は負けなかった。それが本物の強さ。それに奇跡的な勝ち方をしていたので、福岡は何かを持っていたなと。」

(前編)
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